今回は、生活習慣病の中で、高血圧と並び、多い疾患である高コレステロール血症について、お話しします^^
二回構成とし、第一回は、定義と原因についてです。
①高コレステロール血症とは?
高LDLコレステロール血症の定義としては、140 mg/dL以上(境界域120~139 mg/dL)とされています。
日本人での頻度は、男性で24%、女性で34%以上といわれています (平成26年 国民健康・栄養調査報告)。
LDLコレステロールの上昇は、動脈硬化につながります。
そのため、LDLコレステロールの値を下げることが、動脈硬化により生じる病気 (高血圧、脂質異常症、心筋梗塞、脳卒中など)の予防に寄与します☆
②高コレステロール血症の症状は?
自覚症状はありません。
しかし放置すると、動脈硬化が進み、全身の血管が細くなり、虚血症状をきたします。
特に心臓で血管狭窄すると心筋梗塞に、脳で血管狭窄すると脳梗塞になります。
③高LDLコレステロール血症の原因は?
さて、高LDLコレステロール血症の原因を考えてみましょう。
高LDLコレステロール高値を指摘された場合、頻度でいうと、肥満、運動不足、飲酒などが原因のことが多いです。
一方、中には背後に隠れた原因が潜んでいる場合もあります。
まずはしっかり原因を見極めることが重要です。
主な高LDLコレステロール血症の原因は以下の通りです。
1. 食事・ライフスタイル由来
* 脂肪の摂取過多 (総カロリーのうち30%以上)
* 飽和脂肪酸の摂取過多 (総カロリーのうち10%以上)
* コレステロールの摂取過多 (1日当たり300 mg以上)
* アルコールの多飲
* 肥満
* 運動不足
2. 二次性
* 甲状腺機能低下症
* ネフローゼ症候群
* 腎不全・尿毒症
* 原発性胆汁性肝硬変
* 糖尿病
* クッシング症候群
* 自己免疫疾患(SLEなど)
* 妊娠
* 薬剤性 (アナボリックステロイド、レチノイド、経口避妊薬とエストロゲン、コルチコステロイド、利尿薬、β刺激薬)
3. 原発性/家族性
* 家族性高コレステロール血症 など。(血縁者に心臓病の人、コレステロールが高い人などが多い場合には要注意です)
頻度として圧倒的に多いのは、1. 食事・ライフスタイル由来 ですが、場合によっては特殊な原因を検索することも重要になります。
今回は、以上になります。
次回は、治療法についてお伝えいたします☆