消化器内科とは
おなかの悩み
古くから健康の指標として”快食・快眠・快便”と言われるように、おなかの調子は生活の質に大きくかかわります。
消化器内科はそのような腹部の症状に対して専門的に対応する科です。肝臓、胆のう、膵臓、胃腸などの病気を診断・治療します。腹部エコーによる肝臓、胆のう、膵臓などの検査、胃カメラや大腸カメラによる胃腸の病気の診断・治療、ピロリ菌の除菌治療など、幅広く対応致します。
消化器内科で扱っている疾患
消化器内科は以下のような疾患を対象として治療しています。
腹痛、おなかの張り、胸やけ、食道のつかえ感、吐き気、嘔吐、下痢、便秘、血便など、お腹の症状があればご相談ください。
![食道イメージ](/imagesWP/medical/medical007.png)
食道
逆流性食道炎
食道がん
食道運動障害
アカラシア
![胃イメージ](/imagesWP/medical/medical008.png)
胃・十二指腸
胃炎
胃・十二指腸潰瘍
胃がん
機能性ディスペプシア
![肝臓イメージ](/imagesWP/medical/medical009.png)
肝臓
肝炎、肝硬変
B型肝炎
C型肝炎
自己免疫性肝炎
原発性胆汁性胆管炎
![胆のう・膵臓イメージ](/imagesWP/medical/medical010.png)
胆のう・膵臓
胆石、胆のうポリープ
膵炎
膵のう胞
胆嚢がん
膵臓がん
![小腸イメージ](/imagesWP/medical/medical011.png)
小腸
クローン病
小腸腫瘍
腸閉塞
![大腸イメージ](/imagesWP/medical/medical012.png)
大腸
便秘症、下痢症
潰瘍性大腸炎
過敏性腸症候群
大腸ポリープ
大腸がん
※悪性腫瘍(がん)や、診療所レベルでの対応が困難な疾患は、連携先医療機関へのご紹介も含め、病診連携を密に行いながら最適な治療を受けていただけるよう対応致します。
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
上部消化管内視鏡(胃カメラ)は、口や鼻から内視鏡を挿入して、喉、食道、胃、十二指腸などの観察を行う検査です。”胃カメラは苦しい”というイメージをお持ちの方は少なくないと思われますが、当院では苦痛の少ない経鼻内視鏡(鼻から挿入)による検査も可能ですので、比較的楽に検査をお受けいただけます。
検査時間自体は6-7分で、午前中のうちに終了します。検査終了後は1時間ほどで食事も可能です。
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)
大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入して、大腸がん、炎症性腸疾患、ポリープなどの疾患を発見、治療するための検査です。特に大腸がんは日本人の死因でも大きな割合を占めますが、早期に発見し治療ができればほとんどの方が完治できる疾患です。しかし早期の大腸がんはほとんど症状が出ないため、症状がない段階で大腸がん検診などを受け、必要な方は大腸内視鏡を受けていただくのが重要です。
また、”いつも便に血が混じっている”、”最近になって便秘が急に悪化した”などの症状も、大腸の病気を示唆する症状であるため、内視鏡検査を検討しましょう。
潰瘍性大腸炎・クローン病外来(IBD外来)について
潰瘍性大腸炎・クローン病とは?
日本を含め世界中で患者数が増加の一途をたどる、原因不明の慢性的な腸の病気です。下痢や血便、腹痛などの症状をきたし、悪化と改善を繰り返すのが特徴です。難病に指定されており、現在のところ完治はできませんが、治療薬の飛躍的な進歩によって、治療をしっかり続けていれば大部分の方は通常通りに日常生活を送ることができます。
当院では、それらの疾患の診断から寛解導入、維持治療まで、診療所で可能な範囲で対応致します。症状の悪化時やより強力な治療を要する場合などは、必要に応じて近隣の高度専門医療機関へのご紹介も致します。
詳しくは、難病情報センターのサイトもご参照ください。
潰瘍性大腸炎
クローン病
潰瘍性大腸炎の大腸粘膜
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- 活動期
- 潰瘍が多発し粘膜が炎症を起こしています。炎症が強いと日常生活に支障をきたします。
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- 寛解期
- 活動性が落ち着き、潰瘍が瘢痕化しています。このような状態を目指して治療します。
一般的な潰瘍性大腸炎の治療法
5-アミノサリチル酸薬(5-ASA)製剤
薬剤→ペンタサ、アサコール、リアルダ、メサラジン
従来からのサラゾスルファピリジン(サラゾピリン)と、その副作用を軽減するために開発された改良新薬のメサラジン(ペンタサ、アサコールなど)があります。内服するものと、お尻から投与するものがあり、粘膜に対する”塗り薬”のような作用で持続する炎症を抑えます。炎症を抑えることで、下痢、下血、腹痛などの症状は著しく減少します。軽症から中等症の潰瘍性大腸炎に有効で、 再燃予防(寛解維持)にも効果があります。
副腎皮質ステロイド薬
薬剤→プレドニン、リンデロン座薬、ステロネマ注腸、プレドネマ注腸、レクタブル注腸など
代表的な薬剤としてプレドニゾロン(プレドニン)があります。内服するものと、お尻から投与するもの、また点滴で投与するものがあります。この薬剤は中等症から重症の患者さんに用いられ、強力に炎症を抑えますが、寛解維持に対する効果は認められていません。
血球成分除去療法
種類→G-CAP(顆粒球除去療法)、L-CAP(白血球除去療法)
薬物療法ではありませんが、血液中から異常に活性化した白血球を取り除く治療法で、LCAP(エルキャップ、白血球除去療法)、GCAP(ジーキャップ、顆粒球除去療法)があります。活動期の炎症を取り除く作用があり、週1-2回、全部で10回程度施行します。通院の手間はありますが、副作用の少ない治療法です。
免疫調節薬
薬剤→イムラン、アザニン、ロイケリンなど
アザチオプリン(イムラン、アザニン)や6-メルカプトプリン(ロイケリン)はステロイド薬を中止すると悪化してしまう患者さんに有効です。寛解維持に効果があります。時に強い副作用をきたす方もいらっしゃるため、使用にあたっては事前に副作用が起こりやすい体質ではないかチェックをしたうえで使用します。
免疫抑制薬
薬剤→サンディミュン、プログラフなど
シクロスポリン(サンディミュン)やタクロリムス(プログラフ)はステロイド薬が無効の患者さんに用いられます。これらの薬剤を使われるのは症状の強い方がほとんどであることから、原則入院のうえで使用されます。
生物学的製剤
薬剤→レミケード、ヒュミラ、シンポニー、ゼルヤンツ、エンタイビオなど
IBD患者さんの炎症に大きく関与しているTNFαを抑える効果のあるレミケード、ヒュミラ、シンポニーの他、炎症に関わる様々な因子に作用するゼルヤンツ、エンタイビオなどの新しい薬剤があります。効果が認められた場合は、定期的に点滴、皮下注射を継続して寛解維持を行います。
当院での治療方針
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎の治療にあたっては、5ASA製剤を軸に、できるだけステロイドを使わないで寛解導入し、良い状態を維持していくことを目標にしています。症状の改善はさることながら、内視鏡的な寛解を目指して治療します。
ただし、ステロイドを使用しないと改善しない場合もありますので、その場合はステロイド製剤の投与も考慮しながら、必要に応じて高次医療機関への御紹介も迅速に行っていきます。皮下注射製剤については、適宜ご相談ください。
(レミケードなどの点滴製剤は当院では扱っておりません)
クローン病
クローン病につきましては、5ASA製剤や免疫調節薬の処方を行っております。
クローン病は小腸にも病変をきたす可能性があり、診療所レベルでは小腸の画像評価(小腸内視鏡やCT・MRIなど)は難しいため、他の病院との連携のうえで診療を行わせていただいております。