「骨粗鬆(しょう)症」は、骨の量が減って骨の中がスカスカになり、健康な骨に比べてもろく骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症の治療で一番大切なのは、骨折を予防し、寝たきりになるのを防ぐことです。

骨粗鬆症は閉経後の女性に多く見られ、60歳代から急激に増加します。骨は20歳ごろまで成長を続けますが、その後は骨のリモデリング(骨吸収と骨形成)により、毎日つくりかえられています。骨のリモデリングには、女性ホルモン(エストロゲン)が大きくかかわります。閉経後の女性では女性ホルモンの分泌が急激に低下するため、骨の量が減少しやすくなります。

骨粗鬆症になると、体を動かしたときに痛みが出て、日常生活さえままならなくなることがあります。身長が低くなったり、背中や腰が曲がることもあり、ちょっとしたことで骨折しやすくなります。特に骨折が多く見られる部位は、背中や腰(椎体)、足の付け根(大腿骨頸部)、手首(橈骨遠位部)です。一度骨折をすると、さらに骨折しやすくなります。早めに骨粗鬆症の治療をすることが大切です。

骨粗鬆症は、骨折を調べるレントゲン検査や骨の量を調べる骨密度の測定によって診断されます。

骨粗鬆症の治療薬は大きく分けて3種類あります。骨が壊れるのを抑える薬、骨が作られるのを助ける薬、カルシウムの吸収量を増やす薬です。

薬以外の食事療法として、骨をつくるのに必要な栄養素のカルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどを積極的にとりましょう。また、タンパク質もとっていきましょう。栄養バランスの良い食事を、ちゃんととっていくのが基本です。

また、適度な日光に当たると、体の中でビタミンDが合成され、カルシウムの吸収が高まります。適度な日光浴をして丈夫な骨をつくりましょう。

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