腱鞘炎は、腱のある場所で起こる炎症です。特に手の指を曲げる腱(屈筋腱)に最も多く見られます。腱は、手の指を曲げ伸ばしする時、腱のトンネル(腱鞘)の中を屈筋腱が行ったり来たりします。指のつけ根付近では、腱と腱鞘の間に摩擦力がかかりやすく、炎症が生じやすいところがあります。その部分で炎症が起きたものが腱鞘炎です。

 進行すると腱がむくんで太くなり、腱鞘も厚くなるので手の指がスムーズに動かしづらくなります。指を動かす時に引っかかりが生じるようになると、ばね指と呼ばれる現象が起こります。ばね指になると指のつけ根に痛み、腫れ、熱っぽさが生じます。症状が進むと指が動かなくなることもあります。起こりやすいのは主に親指、中指で、次いで薬指、小指、人差し指の順です。

 腱鞘炎は放置していても回復しないので、症状がかるいうちにご相談ください。

 よろしくおねがいします。

引用:日医ニュース 第1322号 健康ぷらざ 「腱鞘炎ー指が痛くて曲げづらい、伸ばしづらいー」